空き室を何とかしたい
仲介会社にもメリットを
今は、インターネットの時代です。内見希望のお客様も事前にインターネットである程度物件を選定してから来店します。自分の物件が地域でぶっちぎりNo.1、すなわち部屋は最高で家賃は格安であれば、このお客さんだけで決まります。
しかし、オーナー様もビジネスです。可能な限り安くて良い部屋を提供したいと思っても、相場から著しく安くすることはできません。
ある程度の優位性はあっても、当然、競合する物件は出てきます。
そのような競争の中から選ばれるには、インターネットで名指しされていなくても、似たような物件を希望してやってきたお客様に対して、自分の物件を紹介してもらうことが大切です。
紹介してくれるのは、仲介業者の営業マンです。この辺はやはり、「人対人」のアナログの世界になってきます。
では、どうすれば自分の物件を優先的に紹介してもらえるでしょうか?
入居者様にメリットのある部屋を提供するのは当然として、それ以外に営業マンにもメリットを感じさせる体制を作ることが重要ということです。
レスポンスの速さ
具体的には、どうしたらいいでしょうか?その答えの一つが、レスポンスの速さです。今は入居者側も非常に賢くなり、なかなかこちらの設定家賃のままで決めてもらえないことがあります。
そういう条件交渉、すなわち現場で家賃や敷金・礼金交渉があった場合に、自分が仲介会社から見て、すばやく柔軟に対応可能な大家であると認識されているかどうかが勝負の分かれ目になります。
たいていの条件交渉の連絡は、現場で入居者様と一緒にいるときに入ります。
その時に、即答できるかどうか。
「ちょっと考えさせてください」「あとで電話します」
このような対応は基本的にNGです。
交渉ごとは、ホットなときに一気に決めてしまわないと決まりません。
もし、他の物件と悩んでいるときに、もう一人のオーナー様が即答でOKしてしまえば、当然そちらに決まってしまいます。
あらゆることでもそうですが、何かが起きてから考えるのでは遅いのです。
よくいませんか?すごく混んでいるスーパーのレジで、すべてのレジが打ち終わってから、おもむろにバッグから財布を取り出し、さらに、それから金額を聞いて、さらに小銭を一枚一枚、数えながら出している人。
すばやい人は、レジの金額を打っているそばから確認し、言われる前に必要な金額を用意していて、小銭もある程度準備して待っています。
この二人のスピード感はぜんぜん違います。
内見されているお客様が今まさに、金額交渉をして決めようかどうしようかという時に、「あとで連絡します」では、みすみすチャンスを逃すことになります。
交渉が入るのは当たり前と考え、その際の回答をきちんと準備しているかどうか。
いくらまでならOKなのか、金額はNGだけども家電をサービスするとか、事前に考え、回答を用意しておくから即答できるのです。
このレスポンスがあるオーナー様は仲介業者から見て、「メリットのある人」になります。逆に反応の悪い人は聞いても無駄だからと、確認される前に断られてしまいます。また、決まらない物件に関しては、(できれば募集前に)やはり現場の最前線にいる管理会社や仲介業者に相談すべきだと思います。
「今年はどんな感じですか?」「どうすれば早く決まると思いますか?」
相手に相談することにより、業者サイドにも「自分が提案したアイデア」という意識を持ってもらうことができます。
オーナー様も管理会社も仲介業者も、目的は一緒です。
課題に対しては一緒に考えてもらうとこと、そして成果を分かち合うこと。これらは共同作業においてはとても重要なことですね。
ただ、注意も必要です。業者との関係は重要ですが、友だちになるのが目的ではありません。あくまでも重要なビジネスパートナーになることが大事なのです。